避妊や月経症候群の改善に利用される低用量ピル。ここでは閉経との関係を詳しく解説します。

低用量ピルで私自身を、守るっ!

低用量ピルと閉経

熟女老女

低用量ピルと聞くと避妊薬として使われるマーベロンなどのイメージが強いと思いますが、子宮内膜症や重い月経困難症を治療する薬としても処方されます。妊娠や出産のチャンスが多い20代や30代が主に使用する薬なのですが、40代ではどう付き合えば良いのでしょうか。

低用量ピル

ピルには高用量ピル、中用量ピル、低用量ピルがあり、これらはホルモンが含まれている量に違いがあります。特に低用量ピルが良く使われる物で、生理周期によって変化する女性ホルモンの変化を安定させてくれます。 生理がある間は低用量ピルを利用してホルモンの量を安定させ、肌や体、心の不調和を解決し体調を整える事が可能です。

更年期のホルモンの補充療法

毎月あった生理が無くなる閉経前後あたりになると、毎月あった女性ホルモンの変化は無くなり女性ホルモン自体の全体的な量が一気に降下します。一気に下がる事により色々な体調の変化をきたします。そこで低用量ピルよりもさらに少ないホルモン量の女性ホルモン剤を投与して体の中のエストロゲンの量を少し上げる事で体調不良を解消させます。この治療法をホルモンの補充療法と言います。

低用量ピルからホルモンの補充療法へ

低用量ピルは基本的には妊娠や出産のチャンスが多い世代が利用するホルモン剤です。40代になってから初めてホルモンの乱れによる体調不良を改善するためにホルモン剤を使用するなら、一般的にはホルモンの補充療法を行います。

しかし30代からすでに低用量ピルを服用している人は迷いどころです。40代に入りどのタイミングで低用量ピルの服用からホルモンの補充療法に切り替えるべきなのでしょうか。40代後半だとかなりエストロゲン量が少なくなっているので低用量ピルだとホルモン量が多すぎます。基本的には医師と相談しながらになりますが、30代からすでに低用量ピルを使っている方がホルモンの補充療法へ切り替える最適な時期は、一般的には40代後半となります。

低用量ピルとホルモンの補充療法効果比較

低用量ピルは避妊に効果があるだけではなくニキビ、肌荒れ、多毛症など肌への効果があります。また生理周期が安定する、経血の量が減る、生理痛、貧血、月経前症候群への効果があります。更に子宮内膜症の進行の抑制、再発の抑制、卵巣機能低下の改善、卵巣ガン、卵巣のう腫、骨粗しょう症、子宮体ガン、良性乳腺腫瘍の予防などの効果があります。

ホルモンの補充療法では発汗、イライラ、のぼせ、動悸、ほてり、肌の乾燥、頭痛、不眠などの更年期に現れる全般的な症状に効果があります。コレステロールの値を下げてくれる効果もあるので、骨粗しょう症、高血圧、肝機能障害、アルツハイマー、脳卒中、心筋梗塞などの病気を予防してくれます。

低用量ピルのリスク

低用量ピルは20~30代が主に使う薬ですが、その世代でも喫煙者は服用の際に気をつけなくてはいけません。タバコは体内のビタミンを破壊し、血流を悪くします。そのため喫煙しながらピルを服用すると血栓症や心筋梗塞の発生するリスクが高くなります。特に1日15本以上タバコを吸っている方はピルを飲んではいけないとされています。

その他乳ガンや子宮体ガン、子宮頸ガン、重度の糖尿病、高血圧、血栓症になった事がある方は服用できません。更年期世代も同様です。

更年期世代と低用量ピル

40代後半に突入しても低用量ピルを服用し続けるのは、体にとってホルモンの量が多すぎるのでお勧めしません。体に足りない分のエストロゲンを補えれば十分なので、低用量ピルではなく、それよりもホルモン量の少ないホルモンの補充療法が適しています。

ホルモンの補充療法を行う事で更年期に起きる色々な体調不良を和らげ、閉経後にかかり易い病気の予防が期待できます。 ホルモンの補充療法は低用量ピルよりもずっとホルモンの量が少ないですが、それでも乳ガンや血栓症のリスクが少し高くなってしまいます。この事から閉経した後も引き続き低用量ピルを服用し続けるのは病気のリスクを更に上げる事になるのでお勧めしません。

ホルモンの補充療法は血圧降下剤の効果を弱めてしまうので併用できません。また子宮ガンや乳ガンにかかった事がある人、血栓症の薬を飲んでいる方もホルモンの補充療法を行う事ができません。

年齢によって適切な対応が変わってくる女性の体。20~30代のうちは上手に低用量ピルと付き合い、閉経が始まる40代後半からはホルモンの補充療法へ切り替えるなど、主治医と話し合いながら自分に合った方法を選んでいきましょう。